赤ちゃんの身長は、生後3か月ごろまでは月に約3〜4cm、3〜6か月では月に約2cm、6〜12か月では月に約1〜1.5cmのペースで伸び、1年間で合計25cmほど伸びるのが平均的です。ただし個人差はとても大きく、大切なのは「今何cmか」より、その子なりの線に沿って伸び続けているかどうかです。
月齢別の身長のめやす
まず、実際の数字を見ておきましょう。下の表はWHO(世界保健機関)の児童成長基準にもとづく、月齢別の身長のめやすです。低いほうから3パーセンタイル、まん中の50パーセンタイル(中央値)、高いほうの97パーセンタイルの3本を並べています。
パーセンタイルは「同じ月齢の子を100人並べたとき、低いほうから何番目あたりにいるか」を表す位置のめやすであって、成績でも合否でもありません。数字が小さいほうが悪い、大きいほうが良い、ということは一切ありません。
| 月齢・年齢 | 3パーセンタイル | 50パーセンタイル(中央値) | 97パーセンタイル |
|---|---|---|---|
| 出生時 | 46.3 | 49.9 | 53.4 |
| 1 か月 | 51.1 | 54.7 | 58.4 |
| 2 か月 | 54.7 | 58.4 | 62.2 |
| 3 か月 | 57.6 | 61.4 | 65.3 |
| 4 か月 | 60.0 | 63.9 | 67.8 |
| 5 か月 | 61.9 | 65.9 | 69.9 |
| 6 か月 | 63.6 | 67.6 | 71.6 |
| 9 か月 | 67.7 | 72.0 | 76.2 |
| 12 か月 | 71.3 | 75.7 | 80.2 |
| 15 か月 | 74.4 | 79.1 | 83.9 |
| 18 か月 | 77.2 | 82.3 | 87.3 |
| 2歳 | 82.1 | 87.8 | 93.6 |
| 月齢・年齢 | 3パーセンタイル | 50パーセンタイル(中央値) | 97パーセンタイル |
|---|---|---|---|
| 出生時 | 45.6 | 49.1 | 52.7 |
| 1 か月 | 50.0 | 53.7 | 57.4 |
| 2 か月 | 53.2 | 57.1 | 60.9 |
| 3 か月 | 55.8 | 59.8 | 63.8 |
| 4 か月 | 58.0 | 62.1 | 66.2 |
| 5 か月 | 59.9 | 64.0 | 68.2 |
| 6 か月 | 61.5 | 65.7 | 70.0 |
| 9 か月 | 65.6 | 70.1 | 74.7 |
| 12 か月 | 69.2 | 74.0 | 78.9 |
| 15 か月 | 72.4 | 77.5 | 82.7 |
| 18 か月 | 75.2 | 80.7 | 86.2 |
| 2歳 | 80.3 | 86.4 | 92.5 |
スマートフォンでは、表を横にスワイプするとすべての列が見られます。
数値は正期産で生まれた赤ちゃんを対象としたWHO児童成長基準(WHO Child Growth Standards)にもとづくもので、早産で生まれた場合は修正月齢で見るか、かかりつけ医の発育曲線を使ってください。
日本の母子健康手帳に印刷されている乳幼児身体発育曲線は、厚生労働省の乳幼児身体発育調査(日本で実際に測ったデータ)をもとにした、これとは別の基準です。基準が違うので、同じ赤ちゃんでもWHOの表と母子手帳の曲線とでは位置が少しずれて見えることがあります。健診で使われるのは母子手帳の曲線ですので、記録は母子手帳を軸にして、上の表は「世界的なめやす」として参考にしてください。
パーセンタイルという数字が何を意味していて、成長曲線のどこをどう読めばよいのかは、パーセンタイルの意味と成長曲線の読み方のガイドで詳しく説明しています。
早産で生まれた場合:出産予定日より早く生まれた赤ちゃんは、生まれてからの月齢そのままでは表と合いません。修正月齢(予定日から数えた月齢)で見るのが基本ですが、いつまで修正して見るかは赤ちゃんによって違います。どの曲線をどう見ればよいかは、かかりつけの小児科医や健診の保健師さんに確認してください。
身長が伸びる「速さ」の目安
今何cmかよりも役に立つのが、どのくらいのペースで伸びているかです。乳児期の伸び方はとても速く、そして月齢が進むほどゆるやかになっていきます。
- 生後0〜3か月:月に約3〜4cm。人生でいちばん速い時期です。
- 生後3〜6か月:月に約2cm。
- 生後6〜12か月:月に約1〜1.5cm。
- 1歳〜2歳:月に約1cm。
合計すると、1年目でおよそ25cm、2年目でおよそ12cm。1歳の誕生日ごろには、生まれたときの1.5倍近い身長になっている計算です。ただしこれはあくまで平均で、健康な赤ちゃんの中にも、これよりゆっくりな子も速い子もたくさんいます。
また、身長は毎日均等に少しずつ伸びるわけではありません。しばらく変化が乏しく見えたあと、短い期間でまとめて伸びるような、不規則な伸び方をすることが知られています。1か月ごとの記録がガタガタして見えるのには、そういう事情もあります。
身長は、赤ちゃんの測定でいちばんずれやすい数字
ここが、このページでいちばんお伝えしたいところです。体重は服を脱がせて体重計に乗せればかなり正確に出ますし、頭囲もメジャー1本で測れます。ところが身長(2歳未満は寝かせて測ります)は、赤ちゃんで測るどの数字よりも誤差が大きいのです。
きちんと測るには、これだけの条件がそろう必要があります。
- 平らな乳児用身長計(測定台)に、あおむけに寝かせる
- 大人が2人がかりで測る。1人が頭のてっぺんを固定側の板にそっと当て、顔をまっすぐ上に向ける
- もう1人が両ひざを軽く押さえて脚をまっすぐ伸ばし、ひざの裏を台につける
- 足首を直角にして、足の裏に移動板をぴたりと当てる
- そしてそのあいだ、赤ちゃんは反り返り、脚を曲げ、たいてい泣いている
この条件が少し崩れるだけで、1〜2cmのずれはごく普通に起きます。測る人が違えば違い、同じ人でも赤ちゃんの機嫌によって違います。健診で出た身長の数字には、もともと数cm幅の「ゆらぎ」が含まれていると考えておくのが現実的です。
ご家庭で測りたいときは、硬い床にバスタオルを敷いてあおむけに寝かせ、頭のてっぺんを壁につけ、脚をやさしく伸ばして足の裏に本を垂直に当て、床に印をつけてメジャーで測る、という方法があります。ただしこれも同じ理由で誤差が大きく、あくまで「伸びているかどうか」の傾向を見るためのものです。前回と比べる数字としては、健診で測ってもらった値のほうを信頼してください。
グラフの身長が下がった、縮んだように見えるとき
母子手帳やアプリに記録していると、「前回より身長が短くなっている」ことがあります。ここははっきりさせておきます。赤ちゃんは縮みません。前より短い数字が出たら、それは体が縮んだのではなく、測り方の差です。
同じように、ある月だけ極端に伸びて見えるときも、前回が短めに測れていたことの反動であることがよくあります。曲線がジグザグに見える原因の多くは、成長そのものではなく測定のばらつきなのです。
数字が気になったときの、いちばん実用的な行動:1週間心配しながら過ごすより、もう一度測ってもらうことです。健診や受診の場で「気になるので、もう一度測っていただけますか」とお願いするのは、まったく失礼ではありません。落ち着いた状態で測り直すと、多くの場合その数字は説明がつきます。それでも同じ結果が続くようなら、そのときこそ医師に相談する材料になります。
2歳ごろの「測り方の切り替え」も知っておくと安心です。2歳未満は寝かせて測り、2歳以降は立って測るのが一般的です。人の体は寝ているときのほうがわずかに長く測れるため、この切り替えのタイミングで身長が少し下がったように見えることがあります。これは本当に縮んだのではなく、測り方が変わったことによる想定どおりの段差です。発育曲線も2歳のところで基準が切り替わっています。
身長・体重・頭囲は、セットで見る
身長だけを取り出して一喜一憂しても、あまり意味がありません。健診で身長・体重・頭囲を3つそろえて測るのは、この3つの組み合わせと、動いている方向にこそ情報があるからです。
身長が下のほうにあり、体重も同じくらいの位置にあって、どちらもその子の線に沿って伸びているなら、それは「小柄な体格の子」であることが多いです。細長い子、がっしりした子、まるい子と、体つきは生まれつき本当にさまざまで、どれかが正しい形ということはありません。日本の健診では体格の見方としてカウプ指数(身長と体重から出す指数)が使われることもありますが、これも一時点の数字より、時間の流れの中でどう動いているかが大事です。
気にかけたほうがよいのは、3つのバランスが崩れて、その状態が続くときです。体重は順調なのに身長の伸びだけ止まる、逆に身長は伸びているのに体重が離れていく、頭囲の伸び方だけが身長と明らかにちぐはぐ、といったパターンです。これらは家庭で判断するものではなく、赤ちゃん全体を診た医師が考えることです。
両親の身長は、思っている以上に効く
身長は栄養や睡眠だけで決まるものではなく、遺伝の影響がとても大きいことがわかっています。ご両親とも小柄なご家庭で、赤ちゃんがずっと曲線の下のほうを、しかし自分の線に沿ってきれいに伸びているなら、それは家系をそのままなぞっていることが多いのです。ご両親が大きければ、同じ理屈で上のほうを進みます。
もうひとつ大事なこと。生後1年のあいだの身長パーセンタイルは、大人になったときの身長をあまり予測しません。生まれたときの体格には、おなかの中の環境やお母さんの体格が強く影響しています。その影響が薄れて、その子本来の遺伝的な軌道に乗り換えていくのが、だいたい2歳ごろまでの時期です。この乗り換えのあいだに曲線をゆるやかに上がっていく子も、ゆるやかに下がっていく子もいて、どちらも珍しいことではありません。だからこそ、1点の数字ではなく、数か月分の流れで見ます。
受診・相談を考える目安
次のようなときは、自己判断せず、かかりつけの小児科医や健診の保健師に相談してください。「心配しすぎかも」と遠慮する必要はありません。測り直しと診察が、いちばん確実な安心材料です。
- 数か月にわたって身長の伸びが平らになっている、または明らかに鈍い
- 発育曲線の主要な線を2本またいで下に外れ、そのまま戻らない
- 身長だけが下に離れていくのに体重は保たれている、またはその逆
- 頭囲の伸び方が、身長の伸び方と明らかにちぐはぐ
- 落ち着いた状態で測り直しても、気になる結果が続く
- 数字だけでなく、飲みが悪い、機嫌の悪い日が続く、元気がない、動きの発達が気になる
- 早産や低出生体重で生まれ、どの曲線をどう見ればよいか分からない
そして、はっきりお伝えしておきます。グラフの数字を動かすために、家庭の判断で授乳やミルク、離乳食を変えないでください。ミルクを足す、量を増やす・減らす、離乳食を早める、内容を変える、といった判断はすべて医師や保健師など専門職の領域です。数字を上げようとして始めた変更が、かえって授乳や食事のリズムを崩してしまうこともあります。栄養についての心配は、変える前に相談してください。
また、この記事も、記録アプリも、赤ちゃんが健康かどうかを判断するものではありません。それができるのは、赤ちゃん全体を実際に診ている医師だけです。
身長・体重・頭囲の「流れ」を、手元に残す
BabyMindは、健診や自宅で測った身長・体重・頭囲を記録して、時間の流れとしてグラフで見返せるアプリです。1回の数字より流れが大事、というこのページの考え方をそのまま形にしました。WHOの公式パーセンタイル曲線を描くものではなく、診断もできませんし、健診での測定に代わるものでもありません。診察のときに「この数か月こう動いています」と見せられる記録として使ってください。
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