授乳とミルク

新生児の授乳間隔と回数の目安:スケジュールより赤ちゃんのサインを

2時間もたたずに欲しがる日があれば、長く眠り続ける夜もあります。授乳の間隔と回数、ミルク量の目安を情報源ごとに示し、時間割に合わせなくていい理由と、医師や助産師に連絡したいサインをまとめました。

新生児の授乳は、決まった時間割に合わせるより、赤ちゃんが欲しがるときに飲ませるのが基本です。米国小児科学会(AAP)、米国CDC、英国NHSは最初の数週間の目安を24時間に8から12回ほどとしていますが、幅は広く、足りているかどうかは回数だけでなく、おむつと体重の増えを合わせて見ます。

新生児の授乳間隔と回数の目安

新生児の胃はとても小さく、少しずつ何度も飲みます。よく飲んだすぐあとにまた欲しがることもあります(NHS)。間隔は、授乳の開始から次の開始までで数えます(AAP)。次の表は健康な正期産の赤ちゃんについて各機関が挙げる平均や幅で、守るべき時間割ではありません。

時期母乳ミルク
生後数日1から3時間おき、はじめは1時間ごとのことも(NHS、CDC)24時間に8から12回(CDC)
最初の数週間24時間に8から12回ほど(AAP、CDC、NHS)2から3時間おき、24時間に最低8回(AAP)
数週から数か月平均2から4時間おき(CDC)およそ3から4時間おき(CDC)
生後6から12か月欲しがるときに(CDC)ミルクや離乳食を24時間に5から6回(CDC)

母乳だけで育つ生後1から6か月の赤ちゃん71人の研究では、授乳は24時間に11±3回(幅は6から18回)で、回数と母乳の量に関連はなく、平均に合わせる必要はないと結論づけています(Kent 2006)。早産の赤ちゃんや持病のある赤ちゃんは、小児科医が指示した授乳スケジュールが適しています(AAP)。少し早く生まれた赤ちゃんも、眠りがちで飲む量が足りないことがあるので、こまめに診てもらってください(AAP)。

ミルク量の目安:月齢別

時期目安(AAP)
生後1週1回30から60mLまで
生後1か月にかけて少しずつ増えて1回90から120mL
生後6か月ごろ1回180から240mLを24時間に4から5回
生後8から12か月母乳かミルクで1日およそ720mL

NHS 111 Walesは、生後1週の終わりから6か月まで体重1kgあたり1日150から200mLという目安を示しています。AAPが挙げる24時間に平均960mLは、いつも超えそうなら小児科で相談する上限です。どれも飲ませるべき量ではなく、赤ちゃんは日によって自分で量を調整します。母乳の1回量は、生後1から6か月の研究で平均76.0g、幅は0から240gでした(Kent 2006)。母乳が増えるのは生後2から4日ごろで、それまでの初乳は1回小さじ1杯ほどで足ります(NHS)。

哺乳瓶は流れが速く、飲みすぎになりやすいことがあります(AAP)。NHSの「飲ませすぎの心配はない」は母乳に限った話です。飲み干すよう無理強いせず、瓶をほぼ水平に保ち、休みたがるサインを見ながら飲ませるペース授乳が助けになります(NHS)。

  • 粉ミルクは缶の表示どおりに作り、濃くも薄くもせず、砂糖やシリアル、重湯なども混ぜません(NHS)。手作りミルクは使いません(AAP)。
  • 瓶を立てかけて飲ませない、仰向けに寝かせたまま飲ませない(NHS、AAP)。
  • 生後6か月未満は習慣的に水や白湯を足さず(WHO)、牛乳を主な飲み物にするのは12か月を過ぎてから(NHS)。

母乳にミルクを足すかどうかに一律の正解はなく、赤ちゃんを診た医療者と一緒に決めます。早い時期のミルクやおしゃぶりで母乳の量が減ることがあり(NHS)、足せば体重が増えやすくなる一方で、母乳をやめるきっかけになることも多いとされます(NICE)。母乳、ミルク、混合のどれを選んでも、責められることではありません。

自律授乳とは:時計より赤ちゃんを見る

空腹のサインに合わせて飲ませることを自律授乳(応答的授乳)と呼びます。AAPは健康な正期産の赤ちゃんなら時計より赤ちゃんを見るよう勧め、NHSは多くの赤ちゃんに少しずつ自分のリズムができていくと説明します。WHOも、昼夜を問わず欲しがるだけ授乳できるよう支援することを標準ケアに挙げています。ミルクでも最初は欲しがるときに飲ませます(AAP)。

お腹がすいたサイン、満足したサイン

  • 空腹:手を口に持っていく、唇をなめる、口を開けて顔を向ける、もぞもぞする。泣くのは遅めのサインで、泣き出すと飲ませにくくなります(AAP、NHS)。
  • 満足:口を閉じる、顔をそむける、手の力がゆるむ(CDC)。

泣き声や吸う動きがすべて空腹とは限らず、抱っこやおむつ替えで足りることもあります(AAP)。泣き声の手がかりは空腹の泣き声と眠いときの泣き声の見分け方にまとめています。

クラスター授乳:急に何度も欲しがるとき

生後3から4か月までによくある、続けて何度も欲しがる時期です。急に大きくなる時期に数日続くことがあり、母乳なら量が追いつくと落ち着きます(NHS)。ミルクでも起こりますが、飲みすぎないよう休みたがるサインを見てください。頻回授乳だけで母乳不足とは言えません。ただし、おむつが少ない、体重が増えないときは話が別です。心配なら助産師や母乳外来に、満腹のはずなのに欲しがり続けるなら小児科に相談してください(NHS、AAP)。

新生児を起こして授乳する?夜間授乳はいつまで?

  • 母乳:昼は2から3時間、夜は4時間を超えてあけないようにします。起こしても飲まなければ、30分待ってもう一度(AAP)。
  • ミルク:最初の数週間に4から5時間以上眠って授乳を逃すようなら、起こして飲ませます(AAP)。
  • 体重が増えにくい赤ちゃん、黄疸がある赤ちゃんは、間隔をあけすぎず、眠っていれば起こします(AAP、NHS)。

起こすときは、なでる、服を脱がせる、おむつを替えるなどを試します(CDC)。いつまで起こすかを示した情報源は見つからないので、1か月健診や小児科で聞いてください。夜間授乳は少なくとも最初の数か月は続くことが多く、成長とともに減ります。生後3から6か月で夜5から8時間以上眠る子もいますが、全員ではありません(NHS)。ミルクの赤ちゃんは生後2から4か月か5.4kgを超えるころに夜中の授乳が不要になる子が多いものの、個人差は大きいとAAPは述べています。間隔をのばす練習は必要ありません。

眠ってしまいそうなときは、ソファやひじ掛け椅子で授乳しないでください。ソファややわらかい椅子で一緒に眠ると、睡眠関連死のリスクは最大67倍になるとAAPは述べています。大人のベッドや布団で授乳するなら枕や寝具をよけ、眠る前に赤ちゃんを自分の寝床に戻します。

足りているかどうかの見分け方

手がかりは飲み込む音、授乳後の満足した様子、おむつ、体重です(CDC)。おしっこは最初の数日は1日2から3回、生後4から5日以降は少なくとも5から6回が目安です(AAP)。日齢ごとの数字はおむつの回数とうんちの色で確かめてください。体重は生後数日に少し減るのがふつうで、減少は出生体重の8から10%までが目安です(AAP)。出生体重に戻る時期は、CDCが生後10から14日、NICEが多くの赤ちゃんで3週までとしています。増え方が気になるときは赤ちゃんの体重が増えないときもご覧ください。数字を満たしていても、それだけで大丈夫とは言えません。判断できるのは赤ちゃんを診た医療者です。回数を残しておきたいなら、授乳とおむつの記録アプリや母子健康手帳のメモが相談の材料になります。

授乳の記録を、次の相談の材料に

Babymindの「毎日のお世話」では、左右の授乳タイマー、ミルクの量、おむつを記録でき、前回の授乳の時刻をホーム画面で確認できます。記録とリマインダーは無料です。アプリは診断をせず、足りているかどうかの判断もしません。

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医師や助産師に連絡してほしいとき

症状がすべてそろわなくても重い状態のことがあり、月齢の低い赤ちゃんは重い感染症でも熱が出ないことがあります(NICE)。何かおかしいと感じたら、その感覚を信じてください。夜間も、新しい症状や変化がないか気にかけてください(NHS)。迷う夜間や休日は、こども医療でんわ相談(#8000)に電話できます。

すぐに119番

  • 気を失う、起こしても起きない、起きにくい、反応がない。呼吸がとても速い、苦しそう。肌や唇、舌の色が青い、灰色、白っぽい、まだら。肌が冷たくじっとりしている。唇や舌、のどが腫れて飲み込みにくい
  • 弱く甲高い声で泣く、泣き続ける。けいれん。押しても消えない発疹。12時間おしっこが出ない。吐いたものが緑や黄緑色
  • 生後3か月未満で38℃以上、生後3から6か月で39℃以上。36℃未満、触ると冷たい、震えている
  • 黄疸が生後24時間未満で出た。黄疸に加えて起きにくい、飲まない、ぐにゃっとする、体が硬い、ぴくつく、おむつがぬれない、38℃以上か36℃以下、呼吸が苦しい
  • 脱水のサインに加えて、肌が青白い、まだら、冷たい、呼吸が苦しい

急いで受診

  • 母乳やミルクを飲まない、起きている間の8時間何も飲んでいない。24時間吐き続ける。吐いたものが赤、黒、茶色。勢いよく何度も吐く。ぐにゃっとする。大泉門が腫れている。首が硬い。脱水を伴う下痢
  • 脱水:大泉門や目がくぼむ、涙が少ない、おむつが減る、うとうとする、ひどく眠がる、機嫌が悪い、手足が冷たく色が悪い、おしっこが1日1から2回
  • 黄疸が疑われる(生後24時間以降)、良くならない。濃い色のおしっこ、白っぽいクリーム色のうんち

早めに相談(その日のうちに)

  • 母乳の場合:24時間に8回未満の日が多い、飲み込む様子や音がない、吸いつきが続かない、舌打ちのような音がする、授乳後も機嫌が悪い、生後5日を過ぎても体重が減る、生後5日でうんちが1日3回未満、おしっこが6回未満、肌が黄色っぽい(CDC)
  • 母乳の場合:ほとんどの授乳のあとも空腹そう(すぐ体重測定を)、生後2週で出生体重未満、母乳が増えてから週に約140から200g増えていない、生後7日以降でおしっこ6回未満かうんち4回未満、尿が濃い黄色か赤い点が混じる、うんちがまだ黒っぽい、生後5日でも母乳が増えない、授乳がいつも約10分未満か約50分超、授乳を何度も逃す(AAP)
  • 授乳する人の胸の強い張り、授乳に支障が出る強い痛み、授乳後も胸がやわらかくならない(AAP)
  • 飲んだ分のほとんどを吐く、激しく吐く、痛そう。血便。とても水っぽいうんちが1日8回以上(母乳の赤ちゃんはもともと多くゆるめです)。強い発疹。おしっこが1日4回未満。最初の1週間で肌の黄色みが増す。飲むのを嫌がる、反応がいつもと違う
  • 生後24時間以内に胎便が出ない(NICE)。ミルクで生後8週未満、2から3日うんちが出ない(NHS)。体重減少が出生体重の10%を超える、出生体重に戻る時期(CDCは生後10から14日、NICEは3週まで)を過ぎても戻らない

参考文献

このガイドの事実や数値は、以下の情報源にもとづいて確認しています。詳しくは「ガイドの作り方」をご覧ください。

  1. How Often and How Much Should Your Baby Eat?. American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org
  2. Amount and Schedule of Baby Formula Feedings. American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org
  3. How to Tell if Your Breastfed Baby is Getting Enough Milk. American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org
  4. Warning Signs of Breastfeeding Problems. American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org
  5. How Much and How Often to Breastfeed. U.S. Centers for Disease Control and Prevention
  6. How Much and How Often to Feed Infant Formula. U.S. Centers for Disease Control and Prevention
  7. Signs Your Child Is Hungry or Full. U.S. Centers for Disease Control and Prevention
  8. Newborn Breastfeeding Basics. U.S. Centers for Disease Control and Prevention
  9. Breastfeeding: the first few days. NHS
  10. Bottle feeding advice. NHS
  11. Drinks and cups for babies and young children. NHS
  12. When to get urgent medical help for babies and children under 5. NHS
  13. Infant and young child feeding. World Health Organization
  14. Postnatal care. NICE (UK), guideline NG194
  15. Faltering growth: recognition and management of faltering growth in children. NICE (UK), guideline NG75
  16. Kent JC, Mitoulas LR, Cregan MD, Ramsay DT, Doherty DA, Hartmann PE. Volume and frequency of breastfeedings and fat content of breast milk throughout the day. Pediatrics, 2006
  17. Infant formula: common questions. NHS 111 Wales

よくある質問

新生児の授乳間隔は何時間あければいいですか?

あけなければいけない間隔はありません。健康な正期産の赤ちゃんは、欲しがるときに飲ませるのが基本です。CDCは平均を母乳で2から4時間おき、ミルクで3から4時間おきとしていますが、1時間で欲しがることもあります。早産の赤ちゃんや持病のある赤ちゃんは、小児科医の指示に従ってください。

1時間おきに欲しがります。母乳が足りないのでしょうか?

頻回に欲しがること自体は、足りない証拠にはなりません。クラスター授乳は生後3から4か月までによくあるとNHSは説明しています。見るのはおむつと体重です。おしっこやうんちが少ない、体重が増えないなら、助産師や小児科に早めに相談してください。

夜に長く寝ていたら起こしたほうがいいですか?

新生児では起こしたほうがいいことがあります。AAPは母乳の赤ちゃんで夜4時間を超えて眠るなら起こして授乳するよう勧め、ミルクの赤ちゃんでは最初の数週間に4から5時間以上眠って授乳を逃すなら起こすよう勧めています。いつまで続けるかは、健診や小児科で聞いてください。

ミルクの量は月齢と体重のどちらで考えますか?

どちらも平均から出した目安で、飲ませなければいけない量ではありません。赤ちゃんの空腹と満足のサインを見ながら、飲み干すよう無理強いはしません。いつも多く欲しがる、または少ないと感じるときは小児科に相談してください。

夜間授乳はいつまで続きますか?

少なくとも最初の数か月は続くことが多く、時期には大きな個人差があります。NHSは生後6か月から1歳のあいだに夜の授乳が不要になる子もいると説明しています。決まった月齢までにやめる必要はなく、間隔をのばす練習も必要ありません。

新生児に白湯や水は必要ですか?

健康な赤ちゃんには、ふつう必要ありません。WHOは医学的な理由がなければ母乳以外を与えないよう勧めており、AAPも母乳やミルクから水分をとれると説明しています。暑い時期などに迷ったら、小児科に聞いてください。